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おいしい声(もの)たべたい。

ここは主食が『声』のさすらい人「御影」が、日々の雑記やらその日食べたごはん。その他を自由気ままに語るブログです。日々、腹痛に注意。
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scene2:爵位争奪戦-VS魔王-

「ハルカ、この数週間の働きを見てたけど、アンタは落とし子に向いてないと思うわ」
 突然、ベルからのダメ出しを受ける私。一体私が何をした。
「ちょっとベル。何で私があんたにそんなこと言われないといけないのよ」
 リオンちゃんに戦力外通告を受けるならまだしも、別に契約者でもないベルに朝一に言われるような問題ではないと思う。
「…たぶんリオンも同じように思ってるわ。ね、リオン?」
「勝手なこと言わないでよ、ベル!」
 私とベルのやり取りをいつものように椅子に腰掛けながら静観していたリオンちゃんにベルが首だけを向けながら問いかける。リオンちゃんはそんなこと言うはずないのに。無駄なことを
「…私もそう思います」
 ほら、ね……? ………あれ? イマナンテイッタ?
「ほら、やっぱりそうじゃない…これでわか…あれ? ハルカ?」
 私、いらない子? 攻撃魔装のひとつも扱えない落とし子なんて戦力外通告? むしろこの裏界に存在していることすら迷惑? ……うん、死のう。
「リオンちゃん…今までありがとうね。ベル、あんたとやりあうの、結構楽しかったよ?」
 ああ、短い間だったけど、楽しかったなぁ…
「…ちょ、ハルカ!! 何してんのよ!?」
「…あ、気にしないで。すぐにプラーナだけになって二人の力になるから」
「気にするわよ!! 早まらないで私の話を最後まで聞きなさいよ!!」
 オクタヘドロン製絶対に切れない荒縄をわっかにしていた私を今まで見たことないくらいに慌てた様子のベルが止める。何でいらない子の私を止めようとしてるんだろう?
「あ、ごめん…こんな所に死体があったら処理が大変か…じゃあ、ちょっとアゼルのところ行ってくるよ」
「だーかーらー!! 樹海みたいにアゼルを扱わない! …じゃなくて。話を聞きなさいって言ってるでしょ!!」
 死に逝くだけの私に最後の言葉があるのかな? それならばそれを聞き届けるのも死に逝く私の役目なのかもしれない。私は荒野に行こうとした足を止めてベルへと向き直った。
「…うん。最後だしね…お話しよっか」
「…その悟りきった笑顔と、あきらかに勘違いしている様子がアレだけど、話を聞く姿勢になったのはよかったわ」
 ベルが眉間を指で押さえながら呟く。勘違いってなんだろう? ま、どうせ死ぬんだからいいや。
「…アンタが落とし子に向いてないって言ったのは、アンタのその力のせいなのよ!」
 力? この異世界の血と時間を制御する力のことかな? やはりこの世界ではこのような異質な力は受け入れてもらえないのだね…ははは、分かり合うことなど到底無理な話だったのだ…。
「…そこ、また妙な妄想に行ってるようだけど…確実にあんたの脳内とは違うわよ」
「…それは、現在の裏界のパワーバランスにあります」
 さっきから一言もしゃべらなかったリオンちゃんがぽつりと言葉をこぼす。パワーバランス?
「現在、この裏界では数多の魔王が互いに権力と勢力を求めて活動しています。その中でも、我々魔王と同質の力を持ちながらも異質の存在…落とし子という眷属の占める割合というものは意外と高いものなのです」
「ま、魔王の部下に魔王を倒せる可能性を持ったものがいるんだから、当然ね」
「…そうです。しかし、現在裏界で魔王を屠るだけの力を持つ落とし子を保持する魔王はとても少ない…。特にハルカのようなイレギュラーな存在となればもっと少ないでしょう」
「ほとんどの場合、落とし子に覚醒するのは強い力を求めていたり、何か負の感情が引鉄となることが多いのよ。だから、攻撃的な能力を持った落とし子が圧倒的多数を占めるの」
「私は…リオンちゃんを助けるために落とし子として生きることを決めた…そもそもきっかけはちょっとした事故だったし…」
 あの事故は色々とビジュアル的に危なかったと今は反省してる。うん。
「…でも、それなら私という存在はいらない子というよりは希少価値だ、ステータスだ! な感じだと思うんだけど…」
「…だから、「向いてない」って言っただけで、「いらない」なんて一言も言ってないでしょ?」
 …ちょっと、思い出してみる…あ、ホントだ。
「じゃあ…どうして私が向いてないの?」
 誤解が解けると、今度は別の疑問が浮かんでくる。
「…それが、パワーバランスです。ルー=サイファーが仮初の肉体とはいえ復活を果たした今、とても危うい状態で保たれているバランスの中で、そんな力を持った眷族を保持する魔王が現れたとしたら…?」
「しかも、それが利害関係でなく自分の意思で魔王に加担しているというおまけつき」
 おバカな私でも、それによって起こる大きな波紋は想像できる。まさか私がそんな爆弾な存在だったなんてまったく考えもしなかった…。
「あ…でも、ということは私はやっぱりお払い箱なんじゃないのかな?」
 リオンちゃんの眷属でいることは出来ないことには変わりないのでは…ああ、やっぱ死のう。
「ちょっと、また暗い顔しない! そのことに関してはこのベール=ゼファー様に考えがあるわ」
「え?」
 ベルが膝を着いた私を見下ろしながら得意げな表情で笑った。考えって何?
「アンタが魔王になればいいのよそれも、爵位を持ったちゃんとした魔王にね」
 ? 魔王? 今日から魔王?
「ベル、何言ってるの? 私、落とし子よ? そんなの無理に決まってるじゃない」
 とうとうぽんこつ具合が危険域に…。
「…何か失礼な視線を感じるけどまぁ、いいわ。それが無理じゃないのよ。爵位を奪い取ってしまえばいいの」
「…そう来ましたか、ベル。それはたしかにいい考えですが、ヒーラーであるハルカ一人で爵位を持つ魔王を倒せるとは思えません」
 リオンちゃんの言うとおりだ。私は相手を打ち倒す能力においてはなりたてのウィザードにも劣る。そんな私が魔王を倒すなんて無理に決まっている。
「そんなの、他の魔王の力を借りるに決まってるでしょ?」
「…お言葉ですが、ベル。他の魔王が落とし子が魔王になる手伝いをするとは思えません。かといって私たちが加担しては爵位を取ったとしてもそれが認められるとは思えません」
 たしかに、新たな魔王の誕生のために協力する魔王も想像できないし、ベルやリオンちゃんとか高位の魔王が戦いに参加して勝利しても私の実力を認めてもらえるなんて無理だ。
「それに、もしいたとしても、魔王側が黙ってみていることはないでしょう。爵位を持つ魔王が結託した場合、こちらが勝てる確率はとても少なくなりますよ?」
 リオンちゃんの数々の指摘を意に介すこともなく、余裕の表情を崩さないベルがにやりと笑った。
「それが、いるのよ。その問題をすべて解決できる魔王たちがね」
 

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