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おいしい声(もの)たべたい。

ここは主食が『声』のさすらい人「御影」が、日々の雑記やらその日食べたごはん。その他を自由気ままに語るブログです。日々、腹痛に注意。
HOME » その他小説 » 秋月律子-眼鏡神様のBirthday
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まさかカテゴリ『その他小説』がこんな形で使われるとは思わなかった。
あと、キャラ崩壊なんて当たり前なんで、そういうのダメな人は見ないで。
というかこれ、秋月律子という名の何か名状しがたきものだと思うから。


 私はいつもどおり、事務所で来週一週間のみんなの予定をパソコンに打ち込んでいく。それは私がアイドルとしてデビューしたとしても、変わらない日常の風景。
「…あずささんは…また営業と取材ですか…プロデューサーってば最近あずささんと出かけてばかりじゃない…」
 今日もそうだった。プロデューサーはあずささんを連れて営業へと出かけていった。私は一人、レッスンをしていたというのに。
「指導してくれなきゃ、出来るものも出来ないわよ」
 そうだ。今日は散々だった。気が散って仕方ない。集中しようとしてもダメだった。これはつまり、プロデューサーがちゃんと指導してくれないからだ。
「次会ったら、キツく言ってやらないと! まったくもう…!」
 監督不行き届き。だから文句言ってやる。そう考えると、何故かちょっとだけ心が軽くなった。
(…でも、次はいつ会える?)
 時計の針とパソコンの排気音だけが響く夜の事務所に、声にならない声が消えた。
「……」
 考え事をしながらも規則的に動かしていた指が止まる。さっきまで軽くなっていた気持ちが沈む。ざわざわと嫌な感覚が私の心に影を射す。もう、会えない?
「…そんなことない。何言ってんだろ…私。変だ」
 ズキリと痛む胸を無意識に押さえ、私は私の言葉を否定する。らしくない。こんなセンチメンタル…いつもの私らしくない。
「…私は秋月律子。眼鏡でおさげで事務員兼任! みんなのまとめ役なんだから! …だから…」
 言葉に詰まる。どうして? どうして今日は…。

『その乙女心。ちょっぴり乙女という微妙な表記にふさわしい!!』

「……え?」
 突然、私しかいないはずの事務所に女の人の声が響いた。だ、誰?
「…って、小鳥さんですか? まったく、驚かせないで下さいよ」
『私は音無小鳥ではありません。断じて違います』
 なにやら力強く否定する小鳥さん。そんなに否定したらかえって怪しいですって。
「…って…ええええええええええええええええええ!!!!!!!?????」
 苦笑しながら顔を上げると、そこにはウェディングドレス風の衣装を纏った…見知らぬ女性がいた。しかも、何か光ってるし、浮いてるし。あ、ありえない!
『そんなに驚くことはないですよ。見ての通り、ただの眼鏡でおさげで事務員兼任でちょっぴり乙女の神様です』
 どこか自信満々に言ってのける自称:神様…?
「ちょ、ちょっと…そんなこと言われても困るわよ! 一応このゲームにはファンタジー要素なんてないのよ? そりゃあ、こんなアイドルいる時点でファンタジーだよとか言われたら仕方ないけど、これでも赤とか緑とかありえない髪色のキャラは出てこないようになってるんだから…もう少し常識を考えなさいよ!!」
『はぁ? 宇宙人とか腕に張り付く怪奇ウサギとかがあるんだから問題なんてないと思いますが?』
 自称:神様は私をジト目で見ながらそんなことを言う。宇宙人? 怪奇ウサギ?
「…はぁ」
『何より、貴女なんてエビフライつけてるじゃない!』
「これはおさげだ!!!!!!」
『…さすが765プロが誇るトリプル眼鏡ツッコミアイドルですね。額・顔・首…三位一体なんてジャスティス眼鏡。果てには「ダ~リン♪」だなんて…なんていやらしい!!!』
 失礼なことを言ったと思えば、ぶつぶつ独り言を言い出す自称:神様。本当に小鳥さんじゃないの?
「…で、その神様が私に何のようです?」
 認めたくはないが、認めないとずっとここに居座られそうだったので先を促して見る。
『ああ、そうそう。そうでした。貴女のあまりのちょっぴり乙女っぷりに翻弄されてしまいました』
 いちいち喧嘩売ってるのだろうか…この自称:神様は…。
『…来週の火曜日…何の日かわかる?』
「来週…6月23日…私の、誕生日?」
 そうだ。来週は私の1☆歳の誕生日だ。でも、それがどうしたのだろう。
『最近、三浦あずさとプロデューサーが一緒に出かけているでしょう?』
「え、ええ…」
 またちくりと痛む胸を抑えながら、私は何事もなかったかのように返事をする。
『で、来週は、貴女の誕生日。つまり、そういうことよ』
「…え、もしかして」
 来週は、私の誕生日。そして、あずささんとプロデューサーが出かけている。もしかして、そういうことなんだろうか。私の誕生日のために…。
「…そっか」
 バカだな…全部私のためにやってくれているのに、それなのにあずささんに嫉妬したり、プロデューサーに八つ当たりしたりして…。
『わかったみたいだね。と、いうことで最近の二人の様子を貴女に見せてあげようと思います』
「え、でも…悪いわよ」
 せっかく内緒にしてるのに、勝手に見るなんて。
『いいえ、貴女は見てもいいと思います』
「そ、そうなの…? じゃ、じゃあお願いするわ」
 私のために選んでくれているのを見るのは、楽しいかもしれない。そんなことを思いながら自称:神様の申し出にうなづいた。
『では、最近の二人の様子を投影ーーー!!!!』
 一瞬、視界がフラッシュしたと思ったら、そこにはあずささんとプロデューサーがいた。


『え、えっと…私の恋人の…プロ…太郎さんです』
『こんにちわ、太郎です』

『え、ええぇ!? キ、キス…ですか?』
『あ、あの…お願い…します…』
『は、はい…わかりました…あずささん』

『…あ、あの…プロデューサーさん…さっきの…アレ…』
『あ、あの…えっと…それは…』

『すいません~風邪を引いてしまったみたいで…』
『大丈夫ですか? あずささん』

『あの…ずっとそばにいてもらえませんか?』
『え、あの…俺でよければ…』

「……え?」
 私の目の前では、80年代の青春群像劇もかくや…というかこれなんてエロゲ? なふたりの姿が延々と流れていた。アレ? 私の誕生日は?
『これが最近の二人の日常です。わかりましたか?』
「わかるか!!? さっきの私の誕生日の流れからみてどうかんがえても私の誕生日プレゼントを内緒で選んでいてプロデューサーさんが「すいません、あずささん。俺、女の子が喜ぶようなものってよくわからなくて」とかいう感じであずささんに聞いている場面があってそれで「律子…よろこんでくれるといいな」とかプラチナの指輪を見ながら言うわけですよそんでもって「はい、これあずささんのです。今日は俺のわがままに付き合ってくれてありがとうございます」とか無神経にやっちゃったりするわけですよそれでちょっと困った顔をしながら「いえいえ~私も律子さんの誕生日を祝いたいですから~」と健気にも気持ちを押し隠していうわけですよというような展開が出てくるんじゃないんですか!!?」
 自称:神様の肩をがくがくと揺すりながら問い詰める。というか今の何!? ドッキリ?
『…ちょっと考えてくださいよ。三浦あずさの場合どう見てもその展開は…』

『お、あずささんからメールだ…なんだろう?』

件名:男の人からの指輪って…その…(はぁと

『あずさです。
今日はステキな指輪ありがとうございます~。
私、男の人から指輪とかもらうのって初めてだから、すごく嬉しかったんですよ?
これからは一日中つけて生活しようと思います。だって、初めてですから…(はぁと
今度の律子さんの誕生日、私も腕によりをかけて料理を作りますから、楽しい誕生会にしましょうね♪


あ、また事務所でお会いしましょう~
レッスン楽しみにしてます~(はぁと』

添付画像。
左手の薬指に指輪をはめているどこか照れたようなあずさが写っている。
 
『…と、なるでしょう? だって、あの天然悪女(いい意味で の三浦あずさですよ? この短いメールにも「初めて」「料理」「薬指の指輪」「次の約束」という要素をちりばめて…恐ろしい子!!?』
「…う…」
 ごめん、あずささん。否定できません。
『と、まぁ…そういうわけで、三浦あずさと、プロデューサーは入籍間近です』
「そこまで進展!?」
『あとは正面からマッサージしたり意味深なメールのやりとりをすれば完璧です』
「正面からって何!? 何をマッサージするの!?」
『さすがツッコミ担当ですね。切れ味+1です』
 自称:神様の驚愕の発言の連続に、思わずぺタリと床に座り込む。そんな…そんなことになっていたなんて…。
『けれど…6月23日…みんなの予定をみてください』
「なによ…どうせプロデューサーは…」
 ちょっとやさぐれ気味の気持ちで私はスケジュール表を見る。
「…あ…」

春香:律子さんの誕生日!! ケーキ、楽しみにしてくださいね!
やよい:律子さんの誕生日です!! うっうー! おめでたいです!
真:律子の誕生日。今年もバリバリ行こうね!!
雪歩:律子さんの誕生日。あ、あの…最高のお茶を用意しますね…すいません
伊織:律子の誕生日。この伊織ちゃんが祝ってあげるんだから感謝しなさいよ! にっひひ♪
亜美/真美:律(c)のたんじょ→びだょ☆ ウルトラスーパ→オタンジョウ会にしようね!!
千早:律子の誕生日。時間はみんなの予定の都合にあわせるわ。
あずさ:律子さんの誕生日です~。当日は遅れないように頑張ります~

「みんな…」
 思わず、視界が滲む。
「…まったく…スケジュール表にこんなに勝手に書き込んで…今度あったら…指導してあげるんだから…」
『本当に伝えたかったのはこれです。貴女の眼鏡は愛されているんですよ』
「眼鏡って何よ…眼鏡って」
『私は、ただの眼鏡でおさげで事務員兼任でちょっぴり乙女の神様ですから』
 にっこりと自称:神様は笑うと、まるで背景に同化するように消えていく。
「え…!? 消えて?」
『私の役目は終わったのです。だから、他のちょっぴり乙女を探しに銀河鉄道に乗って旅に出るのです』
 そう言うと、光と共に、自称:神様は消え去った。残されたのは、私一人。

「…さて、つづきつづき」
 私は、眼鏡の下の涙を拭い、また仕事に戻る。これ以上何かを言っては、この不思議な時間が終わってしまうように思えたから。
「…次は、春香か…レッスン・レッスン・レッスン・オーディション…感動するぐらい普通ね」


~~~~~~~~~♪

「あら…メールかしら?」
 しばらく作業を進めていると、ふいに私の携帯が鳴った。表示は…プロデューサー。

『律子へ
突然だが、来週の火曜日のレッスンは休みにする。
本当に突然なのだが急遽仕事が入ったんだ。
だから本当に急だが当日は○○○まで来てくれ。
衣装は用意しておく。あと、料理番組なのでなるべくおなかは空かしておいてくれ。

では、頑張ろうな。律子。
おやすみ』

「ははは…これじゃあバレバレですよ…プロデューサー」
 本当に嘘が苦手な人だ。だけど、今回はだまされてあげよう。だってきっと、そのほうが楽しいから。

「…ところで、どうしてあの神様はあずささんのことを暴露したんだろう…」
 私のつぶやきが、事務所に消えた。

秋月律子-誕生日小説。眼鏡神様のBirthday 終

まさかのあずささんルートの律子。ちなみにわかりにくいとは思いますが。
私はりっちゃんが大好きです。悪意はありません。つまり愛です。
月面子では一番扱いやすいキャラだと思う。衣装で下がる以外は理不尽な低下はないし。
コミュも理に適っていていればパフェもいけるし。
あと声がいい。う~ん。マンダム。
ということでおめでとうりっちゃん。

御影でした。

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